故人の思い出話

なんかねぇ、誰が話しても絶対笑い話になってしまうのですよ。
とても強烈なキャラクターだったので。
例えば、今回使った遺影は、義父が事前に自分で用意してあったものだったのね。
義祖母が亡くなったときに、思うところがあったようで、自分の遺影もきっちり加工して額に入れて準備してあったのです。
それだけでも「用意周到だねぇ」と笑い話だったのに……。
今回遺品の整理というほどではないけれど、ちょっと片付けをしたら、誰かの遺影が出てきたのね。
伯母さんが見て、「昨日焼香に来てくれた近所のばーちゃんの写真じゃないか!」と。
義父が大変お世話になった人みたいで、自分の遺影を作るときに、そのおばあちゃんの遺影まで作っていたのですよ、バリバリお元気なのに、しかも親族でもないのに。
何を勝手に他人様の遺影まで用意しているのかと、縁起でもない、絶対見せられないから処分しておけ、と。
叔父さんなんかは転げ回って涙を流して大笑いしていました。
いやー、亡くなっても強烈な個性は色褪せない。(笑)


不思議なもので、あれだけみんなに迷惑を掛けたのに、亡くなってしまうと良い思い出しか残らないのですね。
私も思い出すのは義父の笑顔ばかり。
イヤな思い出は急速に色褪せていきます。
この人が亡くなってもきっと私は涙が出ないだろうな……と思っていたのに、ボロボロ泣いてしまいました。


こんな言い方もアレだけど、きっと良い時期に亡くなったんだね、と。
叔母さんや息子の夫まで言っていました。
生き方はアレだったけど、亡くなり方は綺麗だったよね、と。
遺影まで用意してくれてあったし(笑)、義祖母の葬儀のときの資料や請求書がそのまま保管されていたから参考になったし。
危ない状態が何日か続いたので仕事を持っている人はこれ以上休めない、と考え始めた頃に亡くなったし。
タイミング的にばっちり、という言い方も変だけど、本当にそうだったのね。
だから最期は綺麗な逝き方だったね、と。


でも妙な感じ。
もう電話も掛かってこない*1、遊びに行っても騒がしい人がもういない。
不思議な感じです。

*1:大変な電話魔だった……同じことを繰り返し何回も掛けてくるの。こっちがノイローゼになるほど。(笑)